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Pharma 4.0 COP
Pharma 4.0 COPについて
Pharma 4.0 COPは、製薬業界におけるデジタル化・データ活用・自動化・コネクテッドプラントなどの動向を俯瞰しながら、GMPと品質マネジメントの観点から「現場で本当に役立つPharma 4.0とは何か」を検討する場として活動しています。世界の規制動向やベストプラクティスの調査、デジタル技術の適用事例の共有、データインテグリティやデータマネジメントの課題の討議などを通じて、各メンバーが抱える疑問・課題の解決の糸口を見出すことを目指しています。また、これらの活動を通じて、Pharma 4.0に関する技術・規制・オペレーションの最新情報を整理し、日本の製薬業界におけるデジタル変革と品質向上に貢献することを目的としています。
設立の背景
Industry 4.0の考え方が広く普及し、製薬業界でも継続的なデータ取得・解析、自動化設備、電子化された品質システム、AIやアドバンスドアナリティクスなどを前提としたものづくりが現実味を帯びてきました。一方で、これらの技術をGxPや品質リスクマネジメントの枠組みの中でどのように整理し、どこから着手すべきかについては、いまだ手探りの部分が多く残っています。特に、製剤・分析・サプライチェーン・設備・IT/デジタルを一体として捉えた「Holistic Control Strategy(統合的な管理戦略)」の重要性が高まる中で、
- どのデータを、どのレイヤーで、誰がどのようにモニタリングするのか
- プロセス設計段階で想定したコントロールストラテジーと、実際の運転・監視・改善活動をどうつなげるのか
- 部門・システムごとに分断された管理から、全体最適な管理へどう移行するのか
といった課題に対する共通の「考え方の土台」を持つことが求められています。ISPEでは、Pharma 4.0 Operating Modelの提示や各種ガイドライン・ワーキンググループ活動を通じて、デジタル化・自動化とGMPをどのように両立させるか、またHolistic Control Strategyをどのように実現していくかについて議論が進められてきましたが、欧米と日本とで受け止め方やスピード感に差があることも少なくありませんでした。日本においても、これらの知見を体系的に学び、自社の状況に照らし合わせて議論する機会は限られていました。そこで、世界のPharma 4.0関連情報や国内外の事例の収集・分析を行いながら、各社が直面するデジタル化・データ活用上の課題について、将来像も含めた解決の糸口を共に考える場としてPharma 4.0 COPの設立に至りました。
活動の概要
Pharma 4.0に関する議論は、世界的にもまだ発展途上であり、「正解」が一義的に定まっているわけではありません。その中で、ISPE日本本部のPharma 4.0 COPでは、以下のようなWGを中心に、ISPEらしい実務的かつ科学的な切り口で、メンバーの皆さんと共に研鑽していきたいと考えています。また、同時に各社の身近な課題についても、サロン的な雰囲気で気軽に議論できる場としていきたいと考えています。
Advanced Manufacturing Technology WG
デジタル化プロジェクトの「ケーススタディ」研究として、先端技術、MES導入、電子バッチレコード、CPV、データレイク構築、AI活用など、実在または仮想のプロジェクトを題材として、企画から導入・運用までの進め方、つまずきポイント、成功要因をケーススタディ形式で議論します。
AI/ML WG
製薬業界におけるAI(Artificial Intelligence)およびML(Machine Learning)の活用を、GMPおよび品質マネジメントシステムの枠組みの中でどのように位置づけ、実務へ落とし込んでいくかを検討するワーキンググループです。モデル開発・検証・運用・モニタリング・改訂といったAI/MLモデルのライフサイクル全体を通して、品質リスクマネジメントやデータインテグリティの観点から整理し、「現場で使えるAI/MLとは何か」を議論する場となることを目指しています。
Plug&Produce WG
モジュラー生産の実装に向けた検討
製造設備・ユニットオペレーション・計装機器などを「つなぐだけで使える」ことを目指したPlug&Produceコンセプト、MTPについて、
- モジュラー設備やスキッドの標準インターフェース
- データモデル/タグ構造の標準化とマスタデータ管理
- 自動化レイヤー(OT)と情報系(IT)の接続におけるGMP上の留意点、
などを議論します。国内外の事例紹介に加え、日本の製薬現場で実現可能なユースケースを整理し、段階的な導入ステップを検討します。
Validation 4.0 WG
製薬業界におけるバリデーションの在り方を、Pharma 4.0やデジタル化・自動化の進展を踏まえて再定義し、「エビデンスに基づき、リスクに見合った、継続的な検証」をどのように実現するかを検討するワーキンググループです。従来の一括バリデーション中心の考え方から、ライフサイクルアプローチ、継続的プロセス検証(CPV)、データ活用、モジュラー設備・Plug&Produceといった概念を取り込みつつ、現実的に運用可能なValidation 4.0の姿を議論する場となることを目指しています。
Regulatory SIG
規制当局・査察の視点から見たPharma 4.0
ガイダンス、査察事例、講演内容などから、規制当局がデジタル化・自動化・データ活用をどのように評価しようとしているのかを整理し、実務への影響を議論します。
Pharma 4.0 COP定例会議
原則、毎月第1金曜日と土曜日にて実施
第1金曜日 17:30~19:00 定例会+分科会
第1土曜日 10:00~12:00 勉強会(現在はPharma4.0 ベースラインガイドの理解活動をしています)
場所はISPE 日本本部+リモートのハイブリッド
メンバー
Pharma 4.0 COPは、40名と外部講師1名(2025年12月08日時点)で製薬企業を中心にエンジニアリング会社、システムインテグレーター、機器・ITベンダーなど、多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されています。製造、品質保証/品質管理、デジタル・IT、エンジニアリングなど、Pharma 4.0に関わるさまざまな立場のメンバーが参加し、現場の課題や取り組み事例を持ち寄りながら、実務に根ざした議論を行っています。Pharma 4.0 COPへの参加を希望される方は、ISPE日本本部事務局(ispe-admi@ispe.gr.jp)までご連絡ください。
| 氏名 | 会社名 |
|---|---|
| 宮崎 裕幸 | 武田薬品工業株式会社 |
| 山田 恵美子 | 三菱ケミカルエンジニアリング株式会社 |
| 大矢 昌沖 | 第一三共株式会社 |
| 保坂 英明 | 中外製薬工業株式会社 |
| 森内 茂樹 | シーメンス株式会社 |
| 鈴江 久尚 | 株式会社電通総研 |
| 若松 周平 | 千代田化工建設株式会社 |
| 入倉 基樹 | 千代田化工建設株式会社 |
| 高橋 大地 | 株式会社ファーマプランニング |
| 中村 亮太 | 協和キリン株式会社 |
| 小林 伸光 | 株式会社ダルトン |
| 鈴木 聡 | 株式会社電通総研 |
| 谷 繁樹 | 株式会社電通総研 |
| 林田 耕一 | ストーブリ株式会社 |
| 海老澤 豊 | フロイント産業株式会社 |
| 安達 岳郎 | フロイント産業株式会社 |
| 泉澤 美紀 | イマ・ライフ・ジャパン株式会社 |
| 坂本 尚輝 | 大成建設株式会社 |
| 秋友 博 | 協和キリン株式会社 |
| 稲葉 千晶 | 協和キリン株式会社 |
| 小林 礼 | 第一三共株式会社 |
| 山本 宣之 | 第一実業株式会社 |
| 松木 章洋 | 三菱ケミカルエンジニアリング株式会社 |
| 伊志嶺 鈴香 | 第一三共株式会社 |
| 笠井 信宏 | シスメックス株式会社 |
| 田村 大樹 | バリデーター株式会社 |
| 古市 和也 | 日揮株式会社 |
| 松坂 千鶴子 | 太陽ファルマテック株式会社 |
| 合田 峻輔 | 武田薬品工業株式会社 |
| 青柳 伸宏 | グリーンウィロー株式会社 |
| 竹川 悠人 | 小野薬品工業株式会社 |
| 五十嵐 力 | 武田薬品工業株式会社 |
| 安藤 久禄 | JSコンサルタント株式会社 |
| 山川 仁史 | 三菱電機株式会社 |
| 三次 哲也 | 三菱電機株式会社 |
| 宮崎 尚貴 | COPA-DATA Japan 株式会社 |
| 吉田 高志 | 武田薬品工業株式会社 |
| 岡田 隆策 | 株式会社ソフテック |
| 野中 邦仁 | 株式会社ソフテック |
| 猿渡 健生 | コミッショニング・エージェント・インターナショナル・ジャパン株式会社 |
| 山下 善之 | 東京農工大学 *外部講師 |