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IP(治験薬)-COP

設立趣旨

IP COPは、「治験薬の製造・包装・表示・割付・保管・配送・品質管理、さらにはビジネスプロセスや薬事要件などの分野」において治験薬供給に関連する課題について討議し、問題の明確化と可能な対策・提言を行うとともに、参加メンバーに正確かつ信頼できる情報および教育の場を提供することを目的として、2008年5月から活動を開始しています。

活動内容

IP COPでは、現在、5つのワーキンググループを結成し、それぞれの切り口から治験薬供給に関する各業界の最新動向、ベストプラクティスの共有を通じて、皆様の業務を支援できるような活動を行っています。
また、海外ISPE出版物の翻訳、出版、教育セミナーの実施も行ってきました。今後もこちらの活動について、必要に応じ進めていきます。

ワーキンググループ

WG1: Digital Display Label(デジタル電子ラベル) WG

Digital Display Labelの実用化に向けての検証を行うと共に、導入による効果及びそのための課題整理を通じて、本テクノロジーを享受した効率的な臨床試験実施のための普及を目指しています。

WG2: IRT WG

【活動概要】

IRT(Interactive Response Technology)は、被験者管理および治験薬の供給と管理を目的としたシステムです。

本ワーキンググループでは、治験薬管理における課題解決に向けたIRTのさらなる利活用の促進、治験薬管理および記録の効率化と精度向上を実現するIRT運用プロセスの仮説・検証と提言、そしてIRTを利用される、もしくは利用中の方に向けた教育資料の作成などを中心とした幅広い活動をしています。

【公開成果物】

(1)IRT説明資料

IRTの基礎的な情報の説明資料として、IRT機能一覧や利用の流れ、導入までの流れと必要な準備などについて紹介しています。

これからIRTを導入される、もしくは検討されている方におすすめの資料です。

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(2) ベストプラクティス

IRTの利活用促進を目的に、治験薬管理とシステム連携をテーマとしたベストプラクティスを公開しています。

•治験薬管理におけるIRT導入・運用のベストプラクティス

被験者の割付手法から、治験薬の再供給アルゴリズム、効率的な仕様に向けたTipsなど、幅広い内容をカバーしたベストプラクティスとなっています。

難易度は中級から応用レベルで、特にある程度のIRT運用経験をお持ちのClinical Supplies、およびClinical Operationsの方におすすめの資料です。

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•システム連携のベストプラクティス

IRT単体での利用ではなく、DepotのシステムやEDC、CTMSなど外部システムとIRTとの連携によってもたらされるメリットと注意事項について紹介した資料です。

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(3) IRT用語集

この資料では、IRTの導入、運用において用いられる専門用語について、その日英翻訳と用語説明を3つのカテゴリに分類して提供しています。

•一般用語

例えば、施設やデポ、被験者属性など、特定の領域に属さない広く一般的に使われる用語を扱っています。

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•Randomization

被験者割付(無作為化)だけでなく、スクリーニングや規定来院など、被験者の来院に関連する用語を扱っています。

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•Supply Management

治験薬の供給や在庫管理など、治験薬管理に関連する用語を扱っています。

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(4) IRT運⽤における注意点 - 施設在庫切れへの対応

施設在庫切れによる来院登録のエラーや被験者の再来院は、患者負担、医療機関における治験業務にかかる負担の双方の観点から避けるべき事象です。

そのような事象を避け、計画通りに治験を進めるにはどのようなポイントに注意すべきなのかについて、在庫管理の観点から理由、回避方法などを紹介した資料です。

医療機関におけるIRTのスムーズな運用に課題を抱えている方におすすめです。

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(5) URSトレーサビリティマトリクステンプレート

依頼者が行うURS(User Requirement Specification: ユーザー要求仕様)のレビューに関して、以下の2つを目的に用意されたExcel形式のテンプレートファイルです。

•URSレビュー全体像の可視化と効率化

•URSレビューの重複や漏れを防ぐ

プロトコル内の「来院」および「治験薬」などのIRT仕様決定に関するセクションを横軸に、そしてベンダーが提供するURSのセクションを縦軸にしたマトリクスを⽤いて、URSレビューの主担当の役割およびレビューの優先度を明確化できるようにしています。

具体的なテンプレートの使用方法および記入例については、テンプレート内の所定のワークシートを参照下さい。

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(6) IRT利⽤実態アンケート調査結果とその考察

IRTの利活用の現状把握を目的に、製薬企業を対象に2023年3月1日から2023年4月30日にかけて実施されたアンケートの集計結果とその考察です。

本アンケートでは、IRTの使用状況、システム連携、納品書と署名、治験薬収支管理の4つをテーマに、以下の質問グループにて情報を収集し、資料内では集計結果だけではなく、アンケート結果から見えた考察および提案を紹介しています。

              
テーマ 質問項目グループ
IRTの使用状況 サプライ機能の使⽤
IRT使⽤の判断基準
システム連携 他システムとの連携
納品書と署名 治験薬交付時の紙のPacking list / 納品書への医療機関担当者の署名
紙の治験薬返却書
残薬数の確認
治験薬収支管理 治験薬の収⽀情報
治験終了届の収⽀情報

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(7) 治験薬管理における非盲検に関する教育資料

治験薬管理の観点からIRT運用時のUnblind(非盲検)情報の取り扱いにおける留意事項に焦点を当て、各担当が理解すべき内容についてまとめた教育資料です。治験薬管理に携わっておられる初級から中級レベルの方におすすめの資料です。

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WG3: 二次元コード付きラベル活用 WG

【活動概要】

本ワーキンググループでは、治験薬ラベルに印字された二次元コードを読み取り、有効活用することで、より効率良く、確実な治験薬供給を行えるような手法・プロセスの検討を行っています。

また、治験薬を取り扱うステークホルダーとして医薬品メーカー、包装事業者、倉庫業者、IRT(Interactive Response Technology)ベンダー、CRO(Contract Research Organization: 医薬品開発業務受託機関)の皆さんへアンケートを実施しましたので、その結果をとりまとめ公開しています。

二次元コードに関するアンケート調査結果とその考察

二次元コードの利活用により、治験薬供給やDtP(Direct to Patient) / DfP(Direct from Patient)、ラベリングなどの治験薬管理プロセスにおいて、IRTとの連携やデジタルラベルなどに代表される治験薬管理のDX化と組み合わせることで、治験薬管理記録のペーパーレス化や記録作業の効率化と精度向上などの様々なメリットを享受できるのではないか、また同時に、二次元コードを利用しない治験薬管理プロセスのリスク低減が図れるのではないかとの仮説のもと、まずは治験薬供給とデジタルラベルにテーマを絞ってアンケートを実施し、仮説検証とその考察を行いました。

本資料は、そのアンケート結果および考察となり、アンケート自体は医薬品メーカー、包装事業者、倉庫業者、IRTベンダー、CROの方々を対象に、2023年1月から2023年3月にかけて実施いたしました。

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WG4: DtP/DfP (Direct to/from Patient) WG

治験薬の患者宅への直送、また患者宅からの回収に関する日本での実施および推進に向けた課題整理を行っています。

WG5: Outsourcing WG

様々な形態が存在する日本の治験薬供給におけるアウトソースの現状の把握と課題整理を行っています。

WG6: Regulatory & Customs WG(2024年活動終了予定)

他WGの活動を横断的にとらえ、関連する規制や商慣習の中から業務従事者が共通に抱える課題整理及び問題解決を行っています。

アウトプットの一例

1.翻訳、出版物、イベント等

  • 「日本で実施する治験のための治験薬の設計と準備」ガイダンスの翻訳(2010年 3rd quarter)
  • 「治験薬管理のための自動音声及びウェブ応答システム」の資料作成(2010年4th quarter)
  • 「治験薬総合ガイド」の翻訳、出版(2013年1月)
  • 日本における医療機関への治験薬供給状況調査(Site Survey)(2016年3月)
  • 「治験薬供給5G元年」ファームテクジャパンへの寄稿(2020年12月)
  • 「GDP下における再生医療等製品などの治験を想定した「超低温」保管・輸送の課題対応」に関するWebinerの開催(2021年11月)
  • ISPE日本本部20周年記念、ファームテクジャパンへの寄稿(2022年5月)

2.年会発表

  • 治験薬供給の未来予想図/保管と配送(2012年4月)
  • 「治験薬総合ガイド」出版記念教育セミナー(2013年4月)
  • Ticket to Global standard for Clinical Supply -真のグローバライゼーション到来-(2014年4月)
  • Ticket to Global standard for Clinical Supply -Our best practices in PIC/S GMP and GDP and what is best for patient from our clinical supply(Site Survey)- -PIC/S、GDP領域でのベストプラクティスを目指して、患者さんにあるべき治験薬供給とは何か(Site Survey)-(2015年4月)
  • A new era for clinical supply -Enhancing globalization in Japan- 治験薬供給の新時代 -グローバリゼーションを目指して-(2016年4月)
  • 治験薬供給における新時代のPatient Centricなアプローチ(2017年5月)
  • Patient Centricity(Patient Survey)への新たな挑戦~治験薬供給の新技術(GDP/超低温)と標準化(IRT)そして破壊的創造(DtP/DfP)への取り組み~(2018年5月)
  • IP Society 5.0 ~治験薬供給の未来(GDP、IRT、Dt/fP、Outsourcing)~(2019年5月)
  • 治験薬供給5G元年(2021年5月)
  • IP Society 5.0 – Clinical Supplyのリアル二刀流(2022年5月)

【メンバー】

2025/10/10現在

              
No. 役職 名前 会社名 ワーキンググループ
1 Chair、DCT HHC WG リーダー 三原 実 マーケンジャパン(株) DCT HHC
2 Co-chair、DDL WG リーダー 中 芳治 大塚製薬(株) DDL、IRT
3 Co-chair、IRT WG リーダー 重田 寛文 キッセイ薬品工業(株) IRT、治験薬課題推進
4 Co-chair 、治験薬課題推進WGリーダー 水主 圭子 小野薬品工業(株) 治験薬課題推進
5 Co-chair、2D-Code WG リーダー 奥原 仁美 バイエル薬品(株) DDL、2D-Code
6 Co-chair 中尾 由美子 バイエル薬品(株) 治験薬課題推進、2D-Code
7 SCメンバー 山下 智之 Suvoda Software(同) IRT、2D-Code
8 SCメンバー 本郷 秀二 三菱倉庫(株) IRT、2D-Code
9 SCメンバー 澤田 吉宏 アストラゼネカ(株) DDL、2D-Code
10 メンバー 渋沢 祐仁 (株)フジシール 2D-Code
11 メンバー 古家 照幸 大塚製薬(株) DCT HHC、治験薬課題推進
12 メンバー 西野入 博樹 Suvoda Software(同) IRT
13 メンバー 落合 みどり 三菱倉庫(株) DDL、治験薬課題推進
14 メンバー 恩塚 誠士 小野薬品工業(株) IRT
15 メンバー 白井 伸明 (株)フジシール DDL
16 メンバー 松下 純子 パセオン(株) IRT
17 メンバー 南 篤志 ノバルティスファーマ(株) DDL、治験薬課題推進
18 メンバー 河野 二郎 (株)フジシール DDL、2D-Code
19 メンバー 正保 真 マルホ(株) 治験薬課題推進
20 担当理事 海老澤 豊 フロイント産業(株)