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CONTAINMENT COPの概要

交叉汚染の防止は、GMP基本要件のひとつです。欧米では、ICHQ9に基づくリスクマネジメントの観点からGMPが見直され、交叉汚染対策、特に高活性医薬品製造の専用化要件について根本的な見直しが進められてきました。Containment COPでは、こうした新たなコンセプトである「科学的根拠に基づいたリスク評価」による交叉汚染対策(封じ込め技術の適用)の構築とその普及に努めています。主な活動内容は以下の通りです。

【注記】EU-GMP交叉汚染防止要件(Chapter 3.6,5.17-5.21)の改定案と、医薬品原薬の1日許容曝露量(PDE:Permitted Daily Exposure)の設定ガイドライン(案)が公表されました。この改訂案は、ISPE Baseline Guide “Risk MaPP” の趣旨に合致したものです。
http://ec.europa.eu/health/human-use/quality/developements/index_en.htm

ISPE Baseline Guide:Risk MaPP(Risk Based Manufacture of Pharmaceutical Products)の普及

ISPE(国際製薬技術協会)では、ICH Q9(リスク管理)に基づき、医薬品製造におけるGMP要件(患者に対するリスク)と産業衛生要件(作業員に対するリスク)のリスク管理に関するBaseline Guide “Risk MaPP”を発行しました。その使命は、「健康リスクに基づいた交叉汚染限界値、洗浄バリデーション限界値、及び、作業員の安全性限界値を設定し、これらの限界値を評価軸として、製品の品質(患者への安全)と作業員の安全を維持するための、ICH Q9に則った科学的なリスクベースアプローチ(Scientific/Risk Based Approach)を提唱する。」というものです。Risk MaPPで提唱された内容は、FDA、EMAやPIC/Sの査察当局が進めようとしているGMP専用化要件の改訂コンセプトに合致したものとなっています。Containment COPでは、このガイドの普及のため、その翻訳版を発行し、業界誌や講演会など機会あるごとにその内容を紹介し、必要に応じて補足資料を作成し公表するといった活動を続けています。

<Risk MaPPの背景>
従来のGMPでは、ペニシリン、ある種のβラクタム系抗生物質やある種のホルモン剤、ある種の細胞毒性を有する抗がん剤などは、専用の設備で製造することが規定され、或いは、要望されてきました。しかしながら、交叉汚染リスクは、それ以外の一般的な医薬品の多品目同時製剤設備でも存在するはずですし、本来、クロスコンタミ対策は、科学的根拠と、リスク分析(Risk=hazard×Exposure)によって設定されるべきものであるといえます。言い換えれば、交叉汚染リスクは、医薬品の毒性学的特性(Hazard)と、その曝露の度合(Exposure)との組み合わせを評価して評価されるもので、医薬品のHazardだけから、専用設備を規定するのはICHQ9のリスクの定義に反することとなります。液剤と粉末製剤では、交叉汚染リスクは違うはずなのに、抗がん剤だから何でも専用設備を強要すると言った議論は非科学的です。但し、こうした議論は、封じ込め技術やクローズド・プロセスが実用化された今だからこそはじめて可能となったものです。その一方で、専用施設(棟)であれば、同種の製剤を従来どおりに同時製造しても良いということではなく、同じく、適当なリスク評価を実施することが求められるはずです。

<Risk MaPPが提唱する基本コンセプト(翻訳版抜粋)>
リスクとは、ハザードと曝露の関数である。いかなる化合物もハザードであると見なすべきである。このハザードの重篤性は、起こりうる影響のタイプとその影響が生じる用量に依存する。曝露とは、化合物との接触の度合いである。リスクとは、ある特定の曝露状況下で化合物が危害を及ぼす可能性である。リスクを最小限に抑えるには、曝露を管理する製造条件及び手順を確立すべきである。これにより、化合物が有害作用を引き起こす可能性を最小限に抑えることができる。
ハザードには連続性がある。化合物が高ハザードか低ハザードかを明確に区分するような線引きは不可能である。
化合物のハザードを評価するためには、薬理学的及び毒性学的要素(用量反応、無毒性量(NOAEL)やADE)を用いるべきである。活性が高い、細胞毒性、細胞増殖抑制性といった用語やその他の製品分類の定義は、その化合物の取り扱いが例外なく常に難しく、最も高度な管理が必要であるといった感情的な反応を招く傾向がある。
意思決定においては、一貫性があり確固かつ科学的なリスクベースアプローチが、連続性のあるハザード全般にわたって行われるべきである。
ゼロリスクは、科学的に達成不可能である。そのため組織は、信頼できる根拠のあるリスク推定、リスク受容に係わる強力な科学的根拠、及び確固たるデザインアプローチを確保すべきである。
受容可能なリスクの限度値を決定する際には、ADEなど健康への影響に基づいた値を利用すべきである。
曝露とそれに続くリスクは、さまざまな手法(これには設計によって特定の化合物の存在を厳格に排除することも含まれる)を駆使し、受容可能なレベルまで低減することが可能である。
GxPは中心的事項である。しかし、産業衛生(作業者の安全)や、その他の健康被害、安全の問題についても対応が必要となる。解決策は多様であり、時に対立することもあるだろう。より効果的なリスクマネジメントには、これらの異なるニーズのバランスを適切に保つため、受容可能なレベル(これには、設計により、ある特定の化合物を厳格に排除することも含まれる)に関する共通理解やアセスメント及びコントロールを包括的に適用することが必要である。
患者、製品、作業者などに対し、考えられる曝露経路については、対処しなければならない。また、曝露経路について誤認がある場合には、正しく理解しておく必要がある。

封じ込め技術の評価と革新的技術の追求

封じ込め技術は、交叉汚染リスクの軽減に最も有効な技術です。当COPには、封じ込め装置を使う立場である製薬会社、装置を製作提供するメーカー、装置を活用して生産設備を構築する建設業界やエンジニアリング会社など幅広い業者出身のメンバーで構成されています。こうした立場の異なるメンバーが幅広い議論をしながら、封じ込め技術の評価や開発の方向性などについて議論を積み重ねています。

製薬における産業衛生の普及

整備が遅れがちな日本の製薬業界における産業衛生基準の構築を促し、そのための支援を行います。製薬会社における産業衛生の現状調査を実施し、産業衛生を組織的に構築するために必要な項目について、海外講師による講習会の開催などを計画しています。

曝露測定ガイドの普及

ISPE Good Practice Guide “Assessing the Particulate Containment Performance of Pharmaceutical Equipment” Second Editionが発行され、その普及をはかるため、当COPで翻訳を進めています。このガイドは、曝露測定に基本的な要件が紹介されていて、曝露を定量的に評価するために有効なガイドで、国内外で注目されてきたガイドです。その改訂版の翻訳を終了し電子書籍として出版予定です。

  • ■定例会:毎月最終水曜日(13:00~17:00)@東京地区
  • ■運営メンバー 2013.06.25現在
氏名 会社名
山浦 勇二 旭化成ファインケム株式会社
竹田 守彦 ファルマ・ソリューションズ株式会社
本田 暢秀 株式会社アズビル
長谷川 正浩 株式会社アズビル
松本 博明 旭化成ファインケム株式会社
二村 はるか 株式会社エアレックス
江口 眞 大森機械工業株式会社
度会 英顕 鹿島建設株式会社
大山 潤 株式会社 菊水製作所
三浦 大 株式会社キット
吉川 覚 塩野義製薬株式会社
谷本 和仁 澁谷工業(株)
長谷川あゆみ (株)住化分析センター
高橋 久雄 ダイト株式会社
松本 章 高田製薬(株)
多田 博幸 高田製薬(株)
和田 育彦 武田薬品工業株式会社
森竹 哲也 武田薬品工業(株)
佐々木 陽平 株式会社竹中工務店
小田島 隆夫 株式会社竹中工務店
平澤 大介 中外製薬株式会社
島田 好子 株式会社奈良機械製作所
田邊 文明 株式会社奈良機械製作所
長崎 健一 日揮株式会社
石井 啓一 日本ポール株式会社
小田 昌宏 日本ポール株式会社
藤井 達也 日本新薬(株)
都筑 信行 株式会社パウレック
橋爪 隆秀 株式会社畑鐵鋼所
村上 聖 (株)日立製作所
齊藤 憲一 フロイント産業(株)
佐野 敦 ホソカワミクロン株式会社
棚橋 政春 ホソカワミクロン(株)
岡田 真樹 前田建設工業(株)
栗山 伸一 持田製薬工場株式会社
寶田 哲仁 持田製薬株式会社
川村 義彦 持田製薬工場(株)
遠藤 幾勇 株式会社ユーロテクノ
服部 宗孝 ISPE 特命委員
ピーター ターナー 工学博士